利大損小百花繚乱EURUSDを検証してみました。カーブフィッティング疑惑について更に深堀りしてみました。
さて今回は利大損小百花繚乱EURUSDについて検証してみようと思います。
このEAは先日のカーブフィッティングの記事で書いたのですが、9個の個々のロジックが過剰最適化の可能性あるよね、ということで終わったのですが、リアルで1年以上回してもPF1.4程度あるということで、それはそれで全然ありじゃないか、と思い直して、もう少し深く検証してみることにしました。
まずはゴゴジャンフォワードから。
2018年のリリース直後はすごい勢いで利益を積み上げたのですが、その後は停滞が続いています。
続いて2019年の月別収支
1月に100pips以上やられてますが、その後は悪くない感じですね。
商品概要をざっと説明すると
最大1ポジ
通貨ペア EURUSD
時間足 M15
SL 最大で74pips
トレーリングストップで、利益をどんどん伸ばしていくタイプです。
商品説明を読むと10年間でPF2.58、1lot換算で2400万円の利益を叩き出すとのこと。これをみるとすごいですよね。笑
9種類の厳選されたロジックを採用とのことです。
この9週類のロジックを使ってることで、1つ1つのロジックでは取引数が少なく、過剰最適化が疑われたわけですが、その辺を後ほど詳しく検証していきます。
バックテスト
ここからは例によって、私のほうでテストしたものを使います。
2010年~2019年9月 1.0lot sp=10 デューカスコピー
主な数値を見ると
PF 1.57
年間平均利益 91万円
最大DD 58万程度
年間取引数 160回程度
リスクリワード 1.58
ゴゴジャンページのバックテストからは大きく成績が落ちてますが、これはリーマン・ショック時の2008,2009年のボラが大きい2年でかなり稼いでるためのようです。
それでも年間平均利益91万はすごいですが。。
利大損小という名だけあってリスクリワードは1.58と高めです。
取引数が年160回とちょっと少なめな点が気になりますね。。
年別収支
近年はやはり利益が少なめになっていますが、それほどばらつきは無い印象。
取引分布はこんな感じ
損切りは建値付近とSL付近の2極化ですね。利益は広範囲に広がっています。10万超えのビックトレードもちらほらあります。
基本スペックはそんな感じですね。
で、続いてはリアル、バックテスト、ゴゴジャンフォワード比較で、実際どうなのか検証してみます。
ウチでは2018年5月から導入しているので、2018年5月~2019年10月31日までの約1年半分のデータで比較
ドン!
青がリアル、赤がバックテスト、緑がゴゴジャンフォワード
こう見るとリアルが一番いい成績っぽいですが、波形は概ね一致してます。
続いて詳細データを見ていきます。
リアル・バックテスト・フォワード比較 2018/05/10〜
取引回数 126
獲得pips 396.8pips
勝率 50.79 %
PF: 1.38
最大DD(pips) 210.1
リスクリワード 1.45
取引回数 127
獲得pips 190.8pips
勝率 51.97 %
PF: 1.149
最大DD(pips) 330.5
リスクリワード 1.41
取引回数 125
獲得pips 356.2pips
勝率 49.6 %
PF(pips): 1.305
最大DD(pips) 290.8
リスクリワード 1.31
数値を比較してもやはりリアルが一番良いようです。なんとバックテストが一番悪いという結果に。。
ここまで見た感じでは、まあリアルではそこそこ勝てているので悪くない印象です。
ただ、2010~2019のバックテストの値と比較すると全体的に物足りない印象です。
ということで、先日は過剰最適化なのではないかと考えたわけですが、もう少しその辺について深く掘り下げて考えてみました。
そもそも、過剰最適化というのは、狙ってそうなるわけでは無くて、EAを作っていればなんとなくわかりますが、結果として過剰最適化になってしまう、という感じなんですよね。なので、実際に動かしてみないとそうなっているのかどうかは分からないんですよね。
だから、取引回数が少ない、バックテスト期間が少ない、イコール過剰最適化、ということではなくて、その可能性があるだけ、ということになります。
で、そう考えると9種類のロジック、個別にみていくと、過剰最適化になってしまっているロジック、そうなっていないロジックがあるのではないか、という仮説が成り立ちます。。
で、ここで検証するための、ある方法を思いつきます。
このEAの商品ページのバックテストを見ると2018年4月までのデータなんですね。。
ということはですよ、現在は2019年11月なので、リリースから約1年半経過しているわけで、この1年半分のデータを使って疑似フォワードテストを個別ロジックに適応して見てみると、もしかしたらどのロジックが過剰最適化になっているのか見えてくるのではないか、と考えました。
ということで、実際に個別にテストしてたところ、どうもロジック5,6,8が、2018年以降右肩下がりになっているというのが見えてきました。
詳細は省きますが、バックテストのグラフ遷移はこんな感じ
ロジック5,6,8のみの2010~2019年までのデータ
2018年以降、下降し始めています。
続いてロジック1,2,3,4,7,9のデータ
こちらを見ると、2018年以降も右肩あがりとなっています。
この1,2,3,4,7,9ロジックのQAの結果はこちら
PFと最大DDの値が改善されています。
ただですね、この検証も試行回数(取引回数)が少ないので、たまたま5,6,8のロジックが不調だっただけ、ということも考えられるので、微妙な判断ではあるのですが、少なくとも、1,2,3,4,7,9のロジックはボラの少ない2018年,2019年も通用したと考えればこの運用方法もありかなと。。。
ということで、一旦、地下送りにしたのですが、この設定で、再度メインポートフォリオに復帰させることにしました。
ということで、利大損小百花繚乱EURUSDの検証でした。